重度な滑舌と軽度な滑舌

重度な滑舌不良と軽度な滑舌不良の扱いについて。

私たちは、滑舌不良にある程度の程度を設けています。

一番重度だと扱う滑舌不良は、基本的にボイストレーニングの範疇では賄えない滑舌不良の事になります。歯の矯正を行い、その上で改めて滑舌のための訓練が必要だというパターンです。

例えば、正しい日本語の発音(母音・子音を含めて)がどうしてもできない。勿論、それが音声の認識の違い、というパターンもあります。その場合は根気よく、「〇〇さんの舌の状態が今こうで、その理由で音が不明瞭になってしまっているので、

この様にして、滑舌を正してください。という様に矯正を行っていきます。
その次に大変な滑舌不良は、実は歯列矯正を行っている間や、行った後に自発的に出てきてしまった滑舌不良です。残念ながら、実は矯正をする前より、した後の方が「何となくノイズが気になる」とか、「

思った音が出せていない」と感じている生徒さんが少なくないのです。矯正をする前はどうだったんですか?と聞くと、その前から出来ていなかったかもしれないけど、今ほどではない。という様なお話もあります。
ご本人も、ご自身の喋り癖が気になったから治して、「治りました」と言われているのに、一向に良くなっていない現状に絶望されている方もいらっしゃいます。
そういう生徒さんがたを見ていると、どうにもこうにも、下顎に力が入っていたり、母音(特にイ段)に特徴的な音があったり、ラ行が極端に言えていなかったり、滑っていたり、音に加えて、やはり舌の動きや顎の開き方にも一定の不具合が見られます。

逆に、軽度な滑舌不良とは?

上記のような、外科的な対処も必要なく、普通にオーディエンスが聴いていてもそこまで「音がおかしい」という様なことが無い方の事です。ただし、「それならそれで良いのでは?」と思っても、ご本人が不具合だと思う様ですと、ご本人がとても敏感な方であることや、思っている以上に発音上で苦痛を感じている可能性が高いので、実は我々としては、そういった生徒さんの更なるブラッシュアップの方がスキルが必要になってきます。

こちら側が「OKです」と言っても、ご本人の感触が「他の音と違ってやりにくい」のであれば、やはり寄せていかなければなりません。

声優さん、ナレーターさんの多くは、周りから見る分には全く不具合が無い状況の場合がほとんどです。でも、一定のセリフになると滑ったり、音に違和感があったり、素人さんの範囲では到底理解しえない悩みが

あります。我々も日々研究です。

ここ最近滑舌に関するお問い合わせが急増しています。理由は、

1 コロナの扱いが変わり、表に出る活動が増えた。長いマスク生活で、口周りの不具合が増えたことに後で気づいた。

2 パソコン上での会議などで話すことのウェイトを知った。とにかく自分の話している姿に自信がなくなった。このまま対面で出て行って大丈夫なのか?

という不安のようなものから来られている方が結構多いです。

後は、コロナ禍のストレスが今更になって噴き出している方も見られます。長期間にわたる運動不足で代謝も落ちている方も結構いらっしゃいますので、

様々な観点で留意が必要です。

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